初代 後藤祐乗
後藤祐乗(ごとうゆうじょう)は室町時代の金工家であり、装剣金工の後藤四郎兵衛家の祖です。「鍔買取」のページでも紹介しましたが、代々徳川家に仕えた金工家であり、後藤家の作品は家彫と呼ばれます。
祐乗の作品は小柄、笄、目貫の三所物が主で、良質な金や赤銅などの地金に龍、獅子などの文様が多数あります。また、祐乗の彫刻は刀装具という一定の規格のなかで、緻密で繊細な文様を施し装飾するもので、以後十七代の後藤家だけでなく、江戸時代における金工師にも大きな影響を与えました。
倶利伽羅龍の図三所物
倶利伽羅龍(くりからりゅう)の図三所物は、祐乗の作品の中で極めて出来がよく、多くの金無垢を使われて造られたものです。また、驚くほどの高額で、千五百貫(現代の円に換算すると約千七百万)と記録された折紙があります。この三所物は色違いで二種類あり、小柄、笄の棹の色がそれぞれ金と黒で分けられています。後藤家では、足利義政の東山御物に多くの物を納め、また前田家にも納めた物も数多くありますが、この三所物は天下の名品として前田家にも納めず、東山御物の奥に仕舞い込んでいたのでしょう。
倶利伽羅龍
倶利伽羅龍とは、不動明王が悪を切るため右手に持つ倶利伽羅剣に一匹の黒竜が巻きつき、剣先を飲み込まんとする姿であり、また、不動明王が右手に持つ剣は降魔の剣とも呼ばれています。つまり、この図は不動明王と龍神の戦いを現した図柄です。これは善と悪を視覚化させた例であり、密教思想の伝来によって平安時代に広まり、鎌倉時代を経て室町時代末期には、刀身彫刻という形をとって所持者を守護する意味を持つようになりました。武士の間では身を守るための刀剣に万物の守護神としての龍を意識し、その図柄を武家の象徴として刀剣に展開させていきました。
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