二代目 後藤宗乗武光
後藤宗乗(ごとうそうじょう)は、初代祐乗の次男で父の業を受け継ぎ、足利家に仕えました。また、二代目として家彫後藤家の栄誉ある伝統の基礎を固めた功績は大きく、彫金の技術だけでなく政治や工芸一般をもって足利家に奉仕していきました。そのため、宗乗の作品は品格が高いことで知られています。
参疋蟹の図目貫
参疋蟹(さんびきがに)の図目貫は、くくり出しの手法を用いることで裾は丸くなり、肉取りがこんもりとして立体感があります。陰陽根(いんようね:元々は目釘の裏側が凸凹になっていたので陰陽根と呼ばれていましたが、後世には角柱形や円柱形、円筒形の形状のものもみられるようになりました)は大きめで、際端には極め蟹を打ち、蟹の目貫として最高の出来栄えを示しています。また、一般的に甲羅に三角鏨(さんかくたがね)を打ちますが、稀に丸鏨を打つこともあります。
蟹
蟹の図柄は、室町時代の最末期か桃山時代から江戸時代にかけて最も多く、その時代は戦国闘争の直後で、武士はもとより一般の間にもまだ荒々しい気分が漂っていました。あばれ者、町奴はこの気風の現われであり、喧嘩、暴力沙汰はいたるところで絶えませんでした。常に天下を横行する、この願望が案外平凡な蟹の横行と結びついたのではないか、といわれています。蟹は、横歩きで歩く様から横行介士や千里横行という異名を持っています。そのため、横文字を蟹行文字といわれた由来でもあります。
海松に潮汲桶の図目貫
海松に潮汲桶(みるにしおくみおけ)の図目貫は、もっくりとして肉置きが良く、山高く谷低しとなり、一見したところ、三代目後藤乗真と見粉うものがあります。ウットリ色紙が所々破れているところに味わいがあります。
四方手の図目貫
四方手(しおで)の図目貫は、馬具の一種である四方手(鞍の前輪と後輪の左右四か所につけた金物の輪を入れた紐)を彫ってありますが、出来がとても優れ、味わいが深く、他の金工家が彫った同じ図の中で群を抜いて素晴らしいものになっています。そして、割れた陰陽根が時代を感じるものになっています。
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