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刀剣ブログ

獅子王・鵺退治の太刀

獅子王

獅子王(ししおう)

  • 指定:重要文化財
  • 無銘 (号 獅子王)
  • 所蔵:東京国立博物館蔵
  • 種別:太刀
  • 流派:大和

獅子王

獅子王

獅子王

重文 太刀 無銘(号 獅子王)出典:名物刀剣-宝物の日本刀

黒漆太刀拵

鐔・目貫

黒漆太刀拵

黒漆太刀拵 出典:名物刀剣-宝物の日本刀、日本の武器武具

源三位頼政が鵺退治の恩賞として下賜された太刀

本太刀は、源頼政(通称 源三位)佩用と伝わり「獅子王」の号がありますが号の由来は不明です。『源平盛衰記』に登場し、天皇を悩ませていた殿上の怪物(鵺)を射落した恩賞として鳥羽院から関白太政大臣の近衛基実が取り次いで源頼政(源三位頼政)に下賜されたと記されています。

源平盛衰記(延宝8年版)

源平盛衰記(延宝8年版)

「鳥羽院より御伝へありける獅子王と申御剣に御衣一重添へて、関白太政大臣基実公を 御使として御使にて頼政に被下けり」

また『平家物語』巻第四・鵺にも登場し、近衛天皇が御在位の時(在位 1141年~1155)で仁平の頃(1151年~1153)、天皇が丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)になると発作を起こされることがあり、大法秘法を行ったものの効き目はなく、東三条の森の方から一群の黒雲がやって来て、御殿の上を覆うということが分かった。それで警固役として源頼政が選出され、郎党一の猪早太を引き連れ、南殿の大床で待ち構えていると、丑の刻に黒雲の一群が御殿の上にたなびいて、その中に怪しき物の影があったので「南無八幡大菩薩」と心の中で念じて矢を放ち、怪物が落ちてきたところを取り押さえ、続けて九太刀刺した。怪物は頭は猿、体は狸、尾は蛇、手足は虎、鵺(ぬえ)の鳴き声に似ていた。感心された天皇は獅子王という御剣を下された。という内容になっています。

和歌の上手としても知られる

源頼政は保元・平治の乱で活躍した武将で、弓の名手として天下にその名が高く、また和歌の上手としても知られ、獅子王を下賜された時に、宮中にホトトギスが一声二声、空高く鳴いて通るのを聞いて左大臣は「ほととぎす名をば雲井にあくるかな」と詠みかけたのに対して、頼政は「弓張月のいるにまかせて」と詠み応え、「弓矢を取つて並びなきのみならず、歌道もすぐれたりけり」と天皇も臣下も感心したといいます。
七七歳の生涯を「埋もれ木の 花咲くことも なかりしに 身のなる果てぞ 悲しかりける」と辞世の句を残した歌人でありました。

初期大和鍛冶の作と見られる

本太刀は『春湊浪話』によると赤松家に継承され重代となり、竹田城城主の斎村政広(赤松広秀)が家康に切腹を命じられ自刃、家康に没収され、土岐家へ。その後、明治に入り土岐家から明治天皇に献上され、更に終戦後は東京国立博物館にうつされ現在も東京国立博物館所蔵です。刃長二尺五寸五分(約77.3cm)、端造りで腰反りが高く、鋒はかますとなった古香の高い太刀で、細直刃、小沸出来、匂口が締って小足が入り、生ぶ茎無銘で、地刃の作風や茎仕立てなどから初期大和物と見られる。附帯する拵は柄も鞘も金具も黒漆塗りにし、現在、柄は黒塗鮫を着せているが柄巻は欠失、渡巻は残っており、鐔は練革木瓜形四方猪目透かし、目貫は丸く三巴紋が薄肉で高彫され、総金具は山金の無地で、恐らく製作当時そのままのものであろうと推察され、この時代の現存するものが極めて少いことから考えても、貴重な資料と言えます。

獅子王の展示情報

獅子王は徳川美術館「明治150年記念 華ひらく皇室文化 ー 明治宮廷を彩る技と美 ー」にて2018年4月17日(火)~5月27日(日)まで展示、また東京国立博物館「武士の装い―平安~江戸」にて2017年3月14日(火) ~ 2017年6月4日(日)まで獅子王と刀装である黒漆太刀が同時に展示されていました。次回の獅子王の展示は未定ですが、大和物の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。また2018年にプロジェクトで獅子王写し(獅子玉)が作刀、奉納され、現在は情報館 天空の城にて常設展示されています。
全国の刀剣展示会情報はこちら

押形  太刀 無銘(号 獅子王)

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