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刀剣ブログ

長船派・名実ともに日本刀を代表する一大流派

長船派

長船派(おさふねは)

日本刀を代表する一大流派

長船派は、流派の祖である光忠から始まり、掉尾を飾る与三左衛門尉祐定まで日本刀史上最も多くの刀工を輩出した日本刀を代表する一大流派です。とはいえ、長船派は鎌倉中期から室町末期までの長きに亘って続いた上に、各時代で当時の流行の先端を行く作風を柔軟に取り入れていたことから、長船派には各時代に共通する流派独特の作風といえるものはほとんどありません。しかし、それこそが長船派最大の特色であり、天正十八年に吉井川の氾濫により壊滅的な被害を受け、実質的にほぼ全滅するまで時代の寵児であり続けた所以だと思います。洪水後も藤四郎祐定などの数工が生き残り、その子孫が新刀期の備前鍛冶を支え、備前の伝統を今に伝えてはいますので、長船派の最後を新々刀期までもってくる場合もありますが、実質的には室町末期の末備前が最後とみてもいいと思います。なぜなら、新刀期以後の長船鍛冶はそれまでの作風を踏襲するのみで、新しい作風を生み出していません。少し乱暴な言い方にはなりますが、やはり時代の波に乗れなければ長船派とはいえないと私は考えています。

長船鍛冶は、その時代時代で多くの名工を輩出しており、誰か一人を代表工として挙げるのは難しいです。ですので、「長船派を代表する刀工」ではなく「その時代の長船派を代表する刀工」という表現になると思います。それでも、誰か一人を挙げるならば、やはり代表工は長光ということになります。理由としては、長光の現存する作刀が他の刀工に比べてずば抜けて多いことが挙げられます。事実、長光の作刀は国宝六口、重要文化財二十八口、重要美術品四十口の計七十四口と全ての刀工の中で最も多く国の指定・認定品になっています。
下記で数工の長船派の刀工を紹介します。
光忠は、近忠の子と伝わる刀工で、「備前国長船光忠」という銘が切られた作がある事から事実上の長船鍛冶の祖とみられています。現存する作が比較的少ないのですが、これには光忠の作をこよなく愛した織田信長の影響もあると思います(安土城や本能寺で焼けてしまったため)代表作としては、名物生駒光忠が著名です。
長光は、光忠の子で長船鍛冶を事実上確立した名工です。代表作としては名物大般若長光や津田遠江長光、熊野三所権現長光(いずれも国宝指定)などが知られています。
景光は、長光の子で、長船鍛冶有数の短刀の名手としても知られています。代表作としては、名物小竜景光謙信景光などが挙げられます。
兼光は、景光の子で、切れ味に優れた作刀を多く生み出したことでも知られています。代表作としては、名物一国兼光や福島兼光、波游兼光などが著名です。
鎌倉期の長船鍛冶には、この四工の他にも景秀、長元、近景などがいます。
南北朝期の長船鍛冶を代表する刀工としては、上記の兼光の他に長重、長義、元重、倫光などが挙げられます。
また、南北朝期から室町中期ころまで「小反り派」と呼ばれる傍流の刀工群がおり、代表工としては秀光(最上大業物)などがいます。
室町期に入ると俗に応永の三光と呼ばれる師光、盛光、康光の三工に代表される応永備前、与三左衛門尉祐定や右京進勝光、左京亮宗光などに代表される長船鍛冶の掉尾を飾る末備前があります。作例としてはこの期の作が最も多く現存しています。

国宝 太刀 銘 光忠

国宝 太刀 銘 光忠(出典:昭和大名刀図譜

国宝 太刀 銘 熊野三所権現 長光

国宝 太刀 銘 熊野三所権現 長光(出典:昭和大名刀図譜)

重文 太刀 銘 備州長船住兼光 観応□年八月日

重文 太刀 銘 備州長船住兼光 観応□年八月日(名物 福島兼光)(出典:長船町史刀剣編

国宝 短刀 銘 備州長船住長重 甲戌

国宝 短刀 銘 備州長船住長重 甲戌(出典:昭和大名刀図譜)

重文 太刀 銘 備州長船盛光 応永廿三年十二月日

重文 太刀 銘 備州長船盛光 応永廿三年十二月日(出典:昭和大名刀図譜)

重文 刀 銘 備前国長船与三左衛門尉裕定 為栗山与九郎作之 永正十八年二月吉日

重文 刀 銘 備前国長船与三左衛門尉裕定 為栗山与九郎作之 永正十八年二月吉日(出典:昭和大名刀図譜)

押形 重文 太刀 銘 備州長船住兼光 観応□年八月日(名物 福島兼光)(出典:長船町史刀剣編)

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