Loading

刀剣ブログ

南泉一文字・公案由来の刀

南泉一文字

南泉一文字(なんせんいちもじ)

  • 指定:重要文化財
  • 無銘 一文字(号 南泉一文字)
  • 所蔵:徳川黎明会
  • 種別:
  • 流派:一文字派

重文 刀 無銘:一文字(名物:南泉一文字)
南泉一文字

重文 刀 無銘:一文字(名物:南泉一文字)出典:駿府御分物刀剣と戦国武将画像名物刀剣-宝物の日本刀

金襴包刀拵

金襴包刀拵 出典:名物刀剣-宝物の日本刀

蠟色金霞小サ刀拵

蠟色金霞小サ刀拵 出典:名物刀剣-宝物の日本刀

梨子地刻小サ刀拵

梨子地刻小サ刀拵 出典:名物刀剣-宝物の日本刀

猫斬りの刀

本刀は、享保名物帳所載の名物「南泉一文字」です。尾張徳川家に伝わる由来書に拠ると本刀の号は、室町期に足利将軍家で所蔵されていた時、研磨に出された際に壁に立てかけてあった本刀に猫がとびかかったのですが、その猫が真っ二つとなったので、中国の唐代の禅僧、南泉普願(なんせんふがん)の故事「南泉斬猫(なんせんざんみょう)」に因み、「南泉一文字」と名付けられたと記載されています。
「南泉斬猫」とは、禅宗の著名な公案の一つで、ある時に寺院の東堂の僧達と西堂の僧達が一匹の猫をめぐり言い争いをしていました。南泉和尚は、猫を指さして「僧達よ、禅の一語を言いえるのならばこの猫を助けよう。但し、言いえることが出来なければ切り捨てるぞ」と言いました。しかし、僧達の一人として答えられるものはいませんでした。 その為、南泉和尚は猫を斬りました。夕方になると弟子の趙州従諗(じょうしゅうじゅうしん)(唐代末期の禅僧、「狗子仏性」という公案で有名)が外出先から戻ってきました。南泉和尚が越州に猫を斬った件を話すと、越州は履を脱いでそれを頭の上に載せて出ていきました。それをみた南泉和尚は「もしそなたがあの時居ったのなら、猫を救うことが出来たのに」と言いました。
禅僧ではない私にこの公案の意味など当然わかりませんが、「猫を斬る=南泉斬猫」と故事がすぐに出てくるところに室町当時の教養の高さが伺えます。足利将軍家からいつ頃出たのかは不明ですが、やがて豊臣秀吉の手に渡った本刀は、慶長十六年に秀吉の子秀頼から徳川家康に贈られ、家康の薨去後に家康の形見として尾張徳川家当主徳川義直へと遺贈されました。以後、尾張徳川家に伝わった本刀は、現在でも尾張徳川家の財産を管理する徳川黎明会の所蔵品として徳川美術館で管理されています。

無銘ながら福岡一文字派の典型作

福岡一文字派についてはこちらをお読みください。

この刀は、姿は大磨上、鎬造り、庵棟、鋒はやや猪首風の中鋒となり、反り浅く、やや先反り風となる。鍛えは、小板目肌つみ、乱れ映り鮮明に立つ。刃文は、大房の重花丁子乱れを焼き、匂口深く、足・葉盛んに入り、帽子は浅く乱れ込み僅かに返る。本刀は、大磨上無銘ではありますが、鎌倉中期の福岡一文字派の典型作として斯界でも広く知られていて、その伝来を含めて名刀と呼ぶに相応しい作と言えます。

南泉一文字の展示

南泉一文字は徳川美術館「名刀物語⑦」にて2018年3月7日(水)~4月1日(日)まで重文 太刀 銘 来国俊 正和二二年十年廿三日□□歳七十五と一緒に展示されていました。
南泉一文字の次回の展示は未定ですが、一文字派の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
全国の刀剣展示会情報はこちら

押形 重文 刀 無銘:一文字(名物:南泉一文字)出典:名物刀剣-宝物の日本刀

刀の売却・購入をお考えならお気軽にご相談下さい
刀買取なら鋼月堂へ

日本刀を相続したら

山鳥毛一文字・天下第一とも称される華やかな名刀

関連記事

  1. 岩融・弁慶の薙刀

    2018.02.10
  2. 物吉貞宗・家康秘蔵の短刀

    2017.09.23
  3. 鶯丸・室町以来の名物

    2018.01.17
  4. 篭手切江・稲葉家と細川家所縁の刀

    2017.08.22
  5. 本庄正宗・徳川家で最も価値のある刀

    2017.08.30
  6. 鶴丸国永・謎に彩られた五条国永の代表作

    2017.10.06
PAGE TOP