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刀剣ブログ

古今伝授の太刀・行平の最高傑作

古今伝授の太刀

古今伝授の太刀(こきんでんじゅのたち)

  • 指定:国宝
  • 銘:豊後國行平作(名物 古今伝授の太刀)
  • 所蔵:永青文庫
  • 種別:太刀
  • 流派:行平派

古今伝授の太刀

古今伝授の太刀

太刀 銘:豊後国行平作(古今伝授の太刀)出典:日本のかたな・鉄のわざと武のこころ

古今伝授の太刀

古今伝授の太刀

附 革包太刀拵

附 革包太刀拵 出典:歌仙兼定登場図録

古今伝授の太刀押形

古今伝授の太刀押形 出典:草創期の日本刀

古今伝授証明状案

細川幽斎筆 古今和歌伝授証明状案 出典:歌仙兼定登場図録

古今伝授の太刀

本太刀は、名物「古今伝授の太刀」です。号の由来は、慶長五年に細川幽斎が烏丸光広へ古今伝授を行った際に本太刀を渡した為、本太刀は「古今伝授の太刀」と呼ばれるようになりました。元々、細川家に伝わっていた本太刀は、江戸期を通して烏丸家が所蔵し、経緯は不明ですが明治に入ってから中山侯爵家(明治天皇の生母は中山家の出身)へ譲渡されました。昭和四年に中山侯爵家の売り立てに出された後、細川家十六代当主細川護立侯爵が買取ったことにより再び細川家の所有となりました。昭和二十六年に国宝指定、現在は護立侯によって設立された永青文庫に所蔵されています。

古今伝授とは

古今伝授とは、最初の勅撰和歌集である「古今和歌集」の解釈を秘伝として伝えたものです。元々「古今和歌集」は公家の教養である和歌の中心的な存在で、実際に随筆「枕草子」でも「古今和歌集」に関する下りが登場するように「古今和歌集」を暗唱する事は公家の重要な嗜みでした。しかし、暗唱はできても、誰しもがその内容を注釈無しで理解することは非常に困難でした。その注釈は、歌学を家職とする二条家の秘事でしたが、二条為衡の死によって二条家が断絶すると、二条派と呼ばれる二条家の教えを受けた者達によって、これらの注釈が受け継がれるようになりました。その後、二条家の秘伝は二条為世の弟子であった頓阿から経賢、尭尋、尭孝へと受け継がれ、尭孝は東常縁に、恒縁は足利義尚や近衛政家、三条公敦、連歌師宗祇などに古今集の伝授を行いました。宗祇が三条西実隆と肖柏に伝授を行い、肖柏が林宗二へ伝えたことにより、古今伝授の系統は三つへと分かれました。この内、三条西家は代々一家で相伝していましたが、実隆の孫三条西実枝の子がまだ幼かったため、「もし三条西家で、当主による相伝が絶えた場合には、残った子孫に伝授を行う(返し伝授)」という約束で弟子の細川幽斎に伝授を行いました。ところが、慶長五年に幽斎の居城田辺城が石田三成方の小野木重次らに包囲されました。この時期、実枝の危惧通り実枝の子公国が早世した為に、三条西家に伝わった伝授を知る者が幽斎のみとなっていました。幽斎が古今伝授を行わないうちに死亡し、古今伝授が絶えることをおそれた幽斎の弟子である八条宮智仁親王は朝廷(当時の天皇後陽成天皇は智仁親王の同母兄)を動かし、朝廷は勅使を派遣して幽斎の身柄を保護して開城させました。幽斎は智仁親王、実枝の孫三条西実条、烏丸光広らに伝授を行い、智仁親王が甥である後水尾天皇に伝授したことからこの系統は後に「御所伝授」と呼ばれるようになりました。因みに、朝廷が武士同士の争いに介入したのはおそらくこの時のみです。血筋でも、物でもなく、和歌の口伝が絶えることを恐れて朝廷が動くところが如何にも日本的だと思います。

行平の代表作

豊後行平は、僧定秀の子、或いは門人とされる刀工で、紀新太夫或いは鬼神太夫と称したと伝わっています。古伝書の「古刀銘尽」において、元暦元年に上野に流されるという記述があり、年紀の入った作としても元久二年二月日の太刀が現存していることからみて、平安最末期から鎌倉初期にかけての刀工であることは今日では確実視されています。行平の在銘の国の指定・認定品は国宝一口、重要文化財七口、重要美術品五口の計十三口で、同時期の刀工と比べると指定・認定数及び現存数は多い方です。また、短刀は行平以前の作には現在確認されていない為、短刀の創始者ともいわれています。
この太刀は、姿は鎬造、庵棟、腰反り高く、中鋒となり、表裏に棒樋を掻き流し、樋内の腰に表は陰刻で梵字、浮彫で倶利伽羅を、裏も陰刻で梵字、浮彫で不動立像(行平が修験者であったという伝来から、修験者の祖役小角という説もあります)を施している。鍛えは、小板目肌細かに詰み、地沸細かに厚くつく。刃文は、直刃調に小乱れ交じり、小沸深く、刃縁に湯走りかかり、金筋入り、区のやや手前で焼き落としている。茎は生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、佩裏に「豊後国行平作」と長銘に切る。姿の古雅な優美さ、地刃の出来、彫物共に行平の典型作にして代表作であり、また前述の伝来が本太刀の価値を殊の外高めています。

古今伝授の太刀の展示情報

古今伝授の太刀の次回の展示は未定ですが、豊後行平の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
全国の刀剣展示会情報はこちら

画像出典:昭和大名刀図譜

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