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刀剣ブログ

小鍛冶と大鍛冶

鍛冶(かじ)

古く「金鉄ヲ打ッテ器ト為ス也」、または「鉄ヲ焼キ鎖鑠スル也」と注せられているとおり、鉄そのほか可鍛性のある金属を鍛錬および火造りすること、またはその職人をいいます。今日では鉄を扱う者だけを鍛治といいますが、「宇津保物語」に、「ここはかぢや。しろがね、こがねのかぢ二十人ばかり」とあるとおり、古くは白銀師、つまり金工まで鍛治と呼んでいました。また鍛冶屋は鍛治を業とする者、 またはその家をいい「新撰六帖」に「かぢやなる太刀の焼刃の早くより思ひきりてし此の世ならずや」とあるのは刀鍛治を指したものです。

鍛冶

小鍛冶と大鍛冶

小鍛冶とは鍛錬と作刀をする刀鍛冶(刀工)のことをいい、これに対して日本刀の原料となる玉鋼をつくる製鉄を大鍛冶といいました。文明(1469年)・明応(1492年)ごろにも小鍛冶という言葉は使われており、江戸では根津権現の祭礼の行列に小鍛冶十名が参加することになっていたといいます。三日月宗近で有名な三条宗近は京三条に居住した刀鍛冶(小鍛冶)なので「三条小鍛治宗近」と呼ばれました。小鍛冶は能の演目の「小鍛冶」が有名ですね。

三条ノコカチ宗近

三条ノコカチ宗近(古刀銘盡大全)

たたら製鉄と玉鋼

日本美術刀剣保存協会は戦後に操業が途絶えていた島根県仁多郡奥出雲町の靖国たたらの跡地に1977年に「日刀保たたら」として復元操業し、製鉄を行い、玉鋼の製造と日本古来の製鉄技術「たたら製鉄」を継承しています。日本刀の主たる原料である砂鉄を地方によっては「よなげ」ともいいます。流水を利用した方法で砂鉄を採取し、村下(むらげ)と呼ばれる人達により、粘土で築いた炉の中に砂鉄を木炭と共に「たたら」という低温精錬により、粗鋼の大塊りを作り、それを鉧(けら)呼び、鉧を砕いて小塊りにしたもののうち、とくに純度が高く良質なものを玉鋼(たまはがね)といい、日本刀には欠かせない原材料となります。作業は三日三晩を通して行われるといいますから本当に大変な作業です。

能「小鍛冶」

能「小鍛冶」は橘道成が一条天皇の勅使として宗近に鍛刀を命じます。宗近は相鎚がいないため氏神である稲荷明神へ祈願すると、稲荷明神の使わした狐が現れ相鎚を打ってくれ見事に打ち上げ、表に小鍛冶宗近、裏に小狐と銘を入れた御剣「小狐丸」が出来上がるという内容です。

演能図屏風 能小鍛冶

演能図屏風 能 小鍛冶

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