謙信助宗(けんしんすけむね)
重文 太刀 銘 助宗(号 謙信助宗)
革包太刀拵 出典:上杉家の名刀と三十五腰図録
拵は皮包太刀で、柄は黒漆塗りの鮫皮を着せた上を藍韋で巻き、鞘は黒漆塗りの皺革で包み、渡巻を柄と同様に藍韋巻としている。金具は赤銅磨地に竹雀文を毛彫し、鐔は銅の木瓜形、覆輪及び大切羽は赤銅磨地に竹雀文を毛彫している。
上杉景勝御手選三十五腰の一つ
上杉景勝御手選三十五腰の一つで、上杉謙信の愛刀の一つで、更に上杉景勝に伝えたものとされるところから「謙信助宗」と号されています。(松岬神社では上杉景勝所用としている)上杉家に伝わり、大正十三年(1924年)に景勝が松岬神社に合祀された記念として同家から寄進され、現在も松岬神社に所蔵されています。上杉景勝御手撰三十五腰とは、愛刀家としても知られている上杉景勝が、養父である上杉謙信の蔵刀の中から選抜した名刀を目録に記したものです。本太刀の他には、名物五虎退、名物山鳥毛一文字、姫鶴一文字、唐柏国信などが現存しています。なお、上杉家の刀は乾坤二つと区分がなされており、本太刀は台帳坤第九三号に所載されています。
御番鍛冶 古一文字助宗
出典:後鳥羽院番鍛冶考
作者の助宗は、福岡一文字派の事実上の祖である則宗の子と伝えられ、大一文字と称されています(大一文字と称せられた所以はわかりませんが、御番鍛冶に召されて茎に菊花紋を切り菊一文字と誤伝されたことによるものかも知れないと寒山先生は「後鳥羽院番鍛冶考」で書かれています)後鳥羽院御番鍛冶(九月番鍛冶)でもあり、助宗有銘の作の現存するものは極めて少なく、本作と明治天皇御愛用の軍刀で東京国立博物館にある太刀(※下記画像参照)が知られています。本作は数少ない同作中の典型且つ代表作で、則宗同様に細身のもので、腰反り高く、踏張りがあり、優美で古雅の漂う太刀姿を呈しています。
太刀 銘 助宗(東京国立博物館)
助宗の代表作
この太刀は、姿は鎬造、丸棟、細身で腰反り、踏張り高く、小鋒となり、表裏に棒樋を掻流している。鍛えは、小板目肌よく詰み、地沸細かにつき、淡く乱映り立つ。刃文は、直調に浅く湾れ交じり、小丁子足よく入り、処々に砂流しかかる。帽子は直ぐに小丸となる。茎は生ぶ穴一つ、雉子股ごころに先細って浅い栗尻となり、鑢目は切、目釘孔の上に助宗と二字銘があり、「宗」の字がやや大き目である。助宗の代表作で、よく古一文字の作風を表しています。
一文字派についてはこちらをお読みください。
謙信助宗の刀剣展示
謙信助宗は2017年に上杉家の名刀が一同に介した特別展「上杉家の名刀と三十五腰」で展示されました。また上杉神社の稽照殿の展示替えで期間限定で展示公開されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
全国の刀剣展示会情報はこちら
重文 太刀 銘 助宗(号 謙信助宗)押形 出典:華やかな日本刀 備前一文字図録
太刀の売却・購入をお考えならお気軽にご相談下さい
太刀買取なら鋼月堂へ