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刀剣ブログ

一国兼光・土佐一国と同じ価値を持つ刀

一国兼光

一国兼光(いっこくかねみつ)

  • 指定:重要文化財
  • 銘 備前国長船兼光 文和二二年乙未十二月日(号 一国兼光)
  • 所蔵:高知城歴史博物館
  • 種別:太刀
  • 流派:長船派

一国兼光

一国兼光

太刀 銘:備前国長船兼光 文和二二年乙未十二月日(号 一国兼光)出典:昭和大名刀図譜

一国兼光押形

一国兼光押形

土佐一国と同じ価値を持つ刀

愛刀家としても著名な紀伊和歌山藩主徳川頼宣は、土佐高知藩二代藩主山内土佐守忠義の愛蔵している兼光が世に名高い大業物である事を伝え聞いて、ある時伊勢津藩主藤堂和泉守高虎に対し「土佐守(忠義)の兼光を所望してもらえないだろうか」と頼みました。了承した高虎は、早速忠義を訪ね頼宣が兼光を所望している件を話しました。すると忠義は、「あの兼光は私共秘蔵では第一の刀故、お断りします」と即答、あまりにも素っ気ない態度に若干気を悪くした高虎は「そのように仰られるが、仮に紀州大納言(頼宣)ではなく将軍家からの仰せとあらば如何されますか」と返答しました。すると忠義は「例え将軍家の命であっても、兼光は差し上げません。土佐一国にも代え難きものです」と答えたと伝わっています。この話から、本刀は後に一国兼光と呼ばれるようになり、江戸期から昭和に至るまで山内家の所蔵(重要文化財認定時の所有者も山内家十七代当主山内豊景侯爵)でしたが、現在は高知県の所蔵となっています。

長船嫡流の四代目

長船兼光は、光忠ー長光ー景光と続いた長船正系の後継者で、少し時代の降る刀工に兼光と同じく最上作である長船長義がいます。景光の子と伝えられる兼光は、長船嫡流として備前の伝統を受け継ぎつつも当時一世を風靡した相州伝を巧みに取り入れた所謂相伝備前を得意とし、後世の刀工に大きな影響を与えた南北朝期を代表する名工の一人です。また、兼光の作は古来より切れ味に定評があり、兼光の作には波游・鉄砲斬り・水神切などといった切れ味に因んだ号で呼ばれている作が多く、最上大業物にも選ばれています。

長船派についてはこちらをお読みください

兼光の代表作の一つ

この太刀は、姿は鎬造、庵棟、身幅やや広く、磨り上げながら反りやや高く、中鋒延びごころとなる。鍛えは、小板目肌よく詰み、地沸微塵につき、乱れ映り立つ。刃文は、小湾れ主調に互の目、尖り刃など交じり、小足入り、匂口締りごころに小沸つき、匂口明るく冴える。帽子は乱れ込んで尖りごころに返る。茎は、磨上、鑢目勝手下がり、先浅い栗尻となり、佩表に長銘で「備前國長船兼光」裏に「文和二二年乙未十二月日」の年紀を切っている。地刃共に出色の出来映えを示した兼光の傑作で、山内忠義が手放すのを惜しんだことも頷ける名刀です。

一国兼光の展示情報

一国兼光は「刀 武士の魂-備前の名刀と土佐ゆかりの刀剣-」にて高知県立歴史民俗資料館で、2012年10月6日(土)~11月4日(日)まで展示されていました。
一国兼光の次回の展示は未定ですが、長船兼光の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
全国の刀剣展示会情報はこちら

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