童子切安綱(どうじぎりやすつな)
太刀 銘:安綱(名物:童子切安綱)出典:国宝8
出典:刀剣春秋
金梨地鞘糸巻拵
童子切安綱 梨地葵紋蒔絵太刀箱
童子切安綱・鬼切りの太刀
童子切安綱(どうじぎりやすつな)は、三日月宗近、大典太光世、鬼丸国綱、数珠丸恒次と共に所謂天下五剣の一つで、伯耆安綱の代表作として知られている。童子切の号の由来については、源頼光が本太刀で大江山の鬼酒呑童子の首を切り落としたと言う伝承に因んで付けられたと言われている。足利将軍家から豊臣秀吉、徳川家康、秀忠、松平忠直と継承され、越前松平家の高田藩から津山藩に継承され、太平洋戦争時まで所持し続けた。終戦後は、一時愛刀家の所有となったが、昭和三十七年に国が買い上げ、現在は東京国立博物館が所蔵している。
大江山酒天童子絵巻物
童子切安綱にまつわる逸話
本太刀にまつわる逸話としては、この太刀を継承後に越前松平家が改易になった為、ある時津山藩の家臣が「呪われた刀故、将軍家に返上しては如何でしょうか」と藩主に上申したが、時の藩主は「この刀は浄光院様(越前松平家初代宗家結城秀康)より引き継いだ家宝であり、宗家の証である」といって、手放す事を良しとしなかったといわれている。
伯耆安綱(ほうきやすつな)
伯耆安綱は、三条宗近、備前友成と共に平安末期の三名工として知られている。銘鑑では、その年代を平安前期の大同頃としているが、現存する遺例の作風を通観すると、それよりも年代の降る平安末期の刀工と考えるのが妥当と思われる。姿は、元先の幅差開き、腰反り高く踏ん張りが有り、鋒は小鋒となる。鍛えは、小板目が肌立ちごころとなり、地沸厚くつき、地斑交じり、地景頻りに入る。刃文は、小乱に足よく入り、金筋、砂流しかかり、匂口深く小沸つく。帽子は、小丸ごころに返り、掃き掛ける。茎は生ぶで、鑢目は切、佩表に安綱の二字銘を切る。
本太刀は、定説では平安末期の製作と考えられているので、平安中期に活躍した頼光とは五十年から百年ほど時代の開きがあるが、その伝承を割り引いても安綱の作刀の中でも第一等の評価は揺るがない名刀である。
天下五剣(てんがごけん)
天下五剣とは、古くより天下に知られた五振りの名刀で童子切安綱、鬼丸国綱、三日月宗近、大典太光世、数珠丸恒次のこと
童子切安綱の展示情報
童子切安綱の次回の展示は、2018年11月27日(火)~2019年2月17日(日)まで東京国立博物館で展示されます。 作者である伯耆安綱の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
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童子切安綱押形(出典:図説刀剣名物帳)
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