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刀剣ブログ

明智近景・明智光秀の愛刀

明智近景

明智近景(あけちちかかげ)

  • 指定:重要美術品
  • 無銘 伝近景(暦応三年の年紀がある)(号 明智近景)
  • 所蔵:個人蔵
  • 種別:
  • 流派:長船派

明智近景

明智近景

重美 刀 無銘 伝近景(暦応三年の年紀がある)(号 明智近景)出典:日本刀物語図録

※ 2019年に井伊美術館さんが再発見された近景とは別物です。

明智近景押形

明智近景押形 出典:日本刀物語図録

庄内藩日向家伝来の刀

本刀は、備前長船近景の作、明智光秀の愛刀の一口と伝えられ、「明智近景」の号があります。山形県庄内藩の日向家伝来のもので、日向家は、明智光秀の子孫で、世を逃れて奥州に落ち、庄内に土着して郷士となったといいます。光秀以来、日向家代々の重宝として伝えられましたが、幕末維新の頃になって、同家を出て、同藩の勘定奉行であった山岸嘉右衛門の手に渡りました。今はこの刀は磨上げられ(磨上げは光秀自身)、僅かに暦応三年の年紀が残されていますが、この頃は「備州長船住近」までの銘字が残り、金象嵌で「明智日向守所持」と所持銘がありましたが、光秀の所業(本能寺の変・謀反を起こし主君織田信長を討った)を嫌い、金象嵌だけでなく同時に銘も磨りおとしてしまったといいます。なんとも惜しいことです。本刀は、終戦後に出羽の庄内から出て、個人蔵となり、重要美術品に認定されています。

長船景近の作

姿は鎬造、庵棟、身幅尋常、鎬が高く、元先の幅差に開きがややつき、反り浅くつき、中鋒。鍛えは板目肌に杢目肌が交じり、処々流れた肌合が交じり、地斑入り、総体にやや肌立ち、地沸細かについて、乱れ映りが立つ。刃文は直刃調に浅くのたれ、小互の目・小丁子・角ばる互の目を交え、やや逆がかり、足・葉入り、砂流しかかり、匂勝ち小沸ついて匂口締まる。帽子は表裏、横手上を直ぐに立ち上がって、浅くたるんで小丸に返る。茎は磨上、先浅い刃上がり栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔四、指表の第四目釘孔横棟寄りに「暦応三年」の年紀がある。

作者とされる近景は鎌倉時代末期から南北朝時代の備前国長船派の刀工で、知られているのは文保から貞和までの作刀で、長船近恒の子で長光門人と伝えられており、作刀、年紀から見て景光のやや後輩にあたるとみられ、景光とは年代的には近く、長光より景光との関係が深かったとされています。現存する作は長光、景光に比して非常に少ないです。作風は鎌倉末期の太刀、短刀の姿で、地鉄は小板目がつんで本まじり乱れ 映りが立つ。刃文は匂出来の直刃に小互の目足入り、または浅いのたれごころのある直丁子乱で、あまり華やかなものは見られず、三作のうちではもっとも地味な刃文をやいており、最晩年の貞和三年二月日の太刀だけは丁子がめだっており、焼幅の出入の差もあって華やかさがでているので、近景を二代に分けて、貞和の近景を二代という説もありますが、刃文の華やかさは南北朝期の作刀の大きな時代的な特色であり、近景も晩年に時代の流行に刺激されてして試行錯誤を重ねたうちの一刀であると見るという説もあります。また、近景の近景帽子は景光、真長と共に三作帽子と言われ特に有名です。

長船派についてはこちらをお読みください

明智兼光・成瀬家で受け継がれてきた脇差

明智兼光

明智兼光

明智兼光

明智兼光

脇指 銘 本明備州長船兼光 天正□年八月吉日日向守上之(号 明智兼光)出典:犬山城主の武と美図録、戦国! 井伊直虎から直政へ図録

また明智光秀の愛刀の一口と伝えられるものに「明智兼光」という号をもつ脇差があります。この脇差は小牧・長久手の合戦に初陣の成瀬正成が敵の首をとる功名を挙げ、家康から拝領したものです。元は明智光秀が所持し「明智兼光」と称されたもので、銘にある「日向守」は光秀のことです。成瀬正成公伝には「家康公、小吉は若年なれとも此度の見切又 自身の高名一度出かしたりとて大に御賞美あり備前兼光の 脇指を賜ふ。異名明智兼光とて中心に天正五年八月吉日日 向守之上と裏銘あり」。また、家康はこの脇指を授けて「成瀬ならでは此刀帯ふ可き者なし」と言ったと伝えています。以後、成瀬家では「明智兼光」の名で受け継がれ、現在は成瀬家から伝来の美術工芸品や古文書などの寄贈を受けて平成十六年(2004年)四月一日に設立された公益財団法人 犬山城白帝文庫の所蔵です。所蔵刀剣では重文 短刀 銘 左安吉作 正平十二年二月日、刀 無銘 伝長船長重、脇差 無銘 則重、槍 銘 平安城長吉作などがあります。

明智近景の刀剣展示

明智近景は2017年に森記念秋水美術館で開催された開館一周年記念特別展「日本刀物語」で展示されました。(重美に認定された名刀のみ約六十振りが展示された史上稀な展示です。)また2019年6月に再発見され話題となった明智光秀の愛刀 太刀 銘 備州長船住近景造/文保元年五月日(明智近景)は井伊美術館で展示されました。次回の展示は未定ですが長船派、長船近景の作品は全国の刀剣展示会で不定期で展示されます。機会があれば是非ご覧になって下さい。
全国の刀剣展示会情報はこちら

明智近景画像 出典:風雪1000年にみる武将とその名刀展図録

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